どんな形態にせよ歴史を齧ったことのある人間にとって、当時を生きる人間の心情に近づくために過去発生したイヴェントを自らの時代のものとして記憶をでっちあげ現代と同じ時間軸で回顧する遊びは一般的である。後世の歴史家はこう語る、の語られる側に立つゲダンケンエクスペリメントだ。
例として100年前に生きる人間の心情に近づくのならば、一昨年はライト兄弟が初フライトして去年は天気晴朗ナレドモ浪高シであった心情を想像する遊びになる。そうなれば来年始めあたりに恐慌が始まるのでアラ大変。などと考えて暇をつぶすのである。
また、応用編として歴史に対する時間的な認識を当時にシフトさせ、ヴェトナム戦争の風化っぷりを太平天国の乱の風化っぷりに喩えてみる手法もありだ。同じように地理的、文化的な傾向をシフトさせるのも良いが、イチジクだけシフトさせるのが無難であろ。頭の中をお馬さん地図に書き換えるだけでも大変だし。