隔離先のオフィースにはテレヴィが設置してあり、休憩時間に集まってくるテレヴィ好きのために1日あたり20分間のみ稼動している。
毎日決まった時間に集まり、動いて音が出るイコンを眺める行為にひたる人々の紛れもない礼拝風景を見るにつけ、メディアは宗教であるとの思いつきを再認識して門前の小僧になった気分はいや増す。意図的にイコン性を損じることで信者を引きつける低俗番組の流行や、新宗教たるテレヴィ伝統宗教たる科学を軽視する現象をみてもわかるように、テレヴィの宗教的側面は非常に興味深いテーマであると感じられる。しかしテレヴィ自体のイコン性をメドヴェトキンの映画列車によるプロパガンダの次元から脱却して語るような言説は寡聞にして知らず、あ街頭テレヴィがあった。
以上のように門前の小僧と化していた時代は長く続いたが、最近になって情況は変化した。IDFメインのイヴェントがまた始まり、地上波でも毎日のように元気な姿を、たまに元気じゃない姿を、ボクらの前に見せてくれるようになったのだ。しかしIDFファンを標榜する身として番組中1コーナーのみの登場では飽き足らないため、LBCIの入るテレヴィをオフィースに置いてくれる職場を求めるところである。国内なら大使館とかか。