チャンコロ・クリエイター

近年隆盛を極める四文字熟語のチャンコロ・ゲームについて、その後ろに控える一山いくらのクリエイターに目を向けるべき時期を迎えている。わが国の得意とする文化侵略はソフト・パワーを超える、いわばミーム・パワーを源泉としているが、これにチャンコロ・クリエイター・パワーを加算することはできないか。
この思考実験の一助とするため、どっかからひらってきたRedditの翻訳を貼っておくものである。

中国人プレイヤーがチート行為を行うことで得られる経済的なメリットについて説明した記事をいくつか読んだことがあります。
多くの筆者は、そのルートボックスや装備品の取引システムがチート行為を助長しているとして非難しています。チートによる大量キルでBPを稼ぎ、獲得したアイテムをSteam上で売却して収入を得ていると彼らは考えているのです。
確かにこれは事実ですが、それだけがチート事情のすべてではありません。乏しい証拠から得られた一般論です。
中国において、ゲームをハッキングすることはビジネスの一つになりつつあります。と言っても、ツールを開発して売るだけですが。時折、あなたの周囲をスピードハックで走り回って中国語で何かを言ってくるチーター集団に遭遇することがあるかと思います。彼らは自身の「商品」をあなたの前で実演し、あなたにチートツールを買わせようとしているのです。
中国には、アメリカでいうところの「aimjunki」や「IWantCheat.com」にあたるようなチートサイトはありません。テンセント(中国におけるPUBGのパブリッシャ)のような大企業が長きにわたって政府と連携し、チート開発会社を潰しています。テンセントらがチートを配布して儲けを得ているなどという風説がありますが、まったくもって馬鹿げています。彼らはサイバー犯罪対策の最高権威です。
もし中国サーバーで何らかのゲームをプレイできる機会を得られたとしたら、あなたはほとんどチーターと遭遇しないことに驚くでしょう。中国において、チート作成者に対する弾圧は厳しく、そして効果的であるということです。これにはいくつかの理由があります。
一つは、取り締まりの効力にはセーフかアウトかなどの境目など存在せず、作成されたハックツールの有害性に対して政治体制は議論すら必要としないということです。これによって、チート開発者は自身のツールをWebページで公開することはできないし、他の人が検索サイトからたどり着くこともできません。チート開発会社もまた閉鎖を強いられるようになりました。彼らは抑止から逃れることはできません。現在中国で使われているチートのほとんどはロシア人が開発したものです。

では、中国人プレイヤーはチートやゲームをどのようにして入手しているのでしょうか? 昨夜の野良スクアッドで、私はある中国人チーターと一緒のメンバーになりました。彼は広西自治区の出身でした。我が国の中でもとりわけ貧しい地域です。この社会主義国でPUBGを起動できるようなパソコンを持っている人は多くいません。彼らはインターネットカフェに赴くことでゲーミングナイトを過ごしているのです。
5年前まで、中国のインターネットカフェに置かれているパソコンはせいぜいLoLクロスファイアを遊べるようなスペックのものばかりでした。PUBGのブームがゲーム業界を変えました。人気のあるLoL配信者は、人を集めるためにPUBGを始めています。多くのインターネットカフェではすでにパソコンを新調し、利用者がPUBGを楽しめるようにしています。中国人のSteamユーザーを数百万人に引き上げたのはこのゲームでもあります。SteamはPUBGを30ドルで販売していますが、その広西自治区チーターは一日につき10ドルを払っています。14億の人口を擁する中国において、中流階級にあたると言われているのはわずか0.8億人です。中国人プレイヤーのゲームが支出に占める割合は、他の国のプレイヤーよりも多かったりします。
我が国における建設作業員の収入は月500〜600ドルとされています。アメリカやEUの水準からみればかなり低いと思われます。このような状況では、住居や車に金を割く余裕はありません。輸入車は関税のおかげで2倍近くまで価格が跳ね上がっているし、北京や上海などのような都市部の地価は高騰し続けています。労働階級の人々の多くは家族や配偶者を持たないために、貯金をしません。可処分所得の割合が多いために、ゲームのような金のかからない趣味に投資を行うのです。チートを使わず、ちゃんとした英語で話すまともな中国人プレイヤーを見かけたならば、それは大学生でしょう。十分な教育を受け、ある程度豊かな暮らしをしている人々にとっては、PUBGは単なる楽しいゲームの一つです。一方で貧しい労働階級の人々にとっては、家賃や食費以外のすべてをゲームに費やすならば、それは著しい額の投資でしょう。
中国人プレイヤーといえばキルレ厨やチーター、それがビデオゲームにおける世界の共通認識です。実際、彼らはただ「遊ぶ」ためにゲームをするのではなく、名誉や達成感などといった何らかの見返りを求める傾向にあります。つい先月まで、「WGQ」で始まる名前のプレイヤーがランキングに何人もいたことは知っているでしょうか? WGQとは「Wai Gua Qun」の略で、チーター集団の一つです。不正を巧みに隠そうとするNAやEUチーターと違い、中国人はいたって何食わぬ顔でエイムボットを使います。

■どうしてここに来るのか?
「さっさとお前らのサーバーに戻れ!」PUBGに限らず、皆がこんな風に不平を叫ぶのをよく聞きます。ですが実のところ、東アジア最大の国であるにもかかわらず、中国には自らの国のサーバーがありません。アジアサーバーとしてあるにはあるのですが、中国本土からの接続においてNAサーバーよりも不安定とされています(DayZでも同じような問題がありました)。中国人がNAサーバーやEUサーバーに来る理由でもあります。
彼らはいくつかの悪癖で知られています:チャイナナンバーワンやCao Ni Ma(F*** your momの意)などを連呼したり、国歌を流したり、チーミングやチートをしたりなど。共産主義国中国は、WTOや国連、ひいてはSteamのような小規模な市場からも見放されています。数十年にわたる検閲と娯楽番組の制限が、中国の人々をネット世界の冒険へと導きました。そしてその冒険が好奇心に支配されたとき、問題は起きるのです。
19世紀後半、英国とフランスが大砲と銃剣を携えて東ローマ帝国に侵攻すると、彼らはサマーパレスを焼き尽くし、数多くの財産を奪いました。中国人の場合は海外のサーバーを侵攻し、プレイヤーの虐殺をもって外国人から悦びを奪い去ります。ですが私たちは、義和団事変の最中でありながら危険を顧みず教会や学校、病院を設立し、地方の人々を助けてくれた西洋の宣教師を忘れるべきではありません。あなた方の多くは、友好的な中国人プレイヤーと遭遇した経験があるかと思います。不和だけではなく、平和や譲り合いがあります。醜悪さ以上に、そこには友情の素晴らしさがあります。国境が開け、グローバル化が進むということは、新しい環境に慣れるための学習過程が必要になるということです。独裁的な共産主義という政治体制を持つ中国は、世界から見れば生まれたての子供のようなものです。中国人がチートで暴れまわっているとき、私たちもまた苦い思いをしています。
中国人のプレイヤーは東部標準時で午前2時から8時が活動のピークです。この時間帯は、10回中9回の割合で中国人チーターに殺されます。ドン勝まであと少しというところで誰かがエイムボットをオンに切換え、ほんの一瞬で勝利を奪い取っていくのは本当に腹が立ちます。
現在のPUBGコミュニティでもっとも活発な話題はリージョンロック・チャイナです。しかし興味深いことに、我が国のPUBGコミュニティでも、中国人たちのマナーの悪さが問題になっています。もしブルーホールがこの問題を無視し続ければどうなるでしょうか? コミュニティの崩壊と、このゲームの破滅を招くことになります。開発はチーターの99%は中国人と言っていましたが(これはのちに撤回されました)、40%以上のプレイヤーが中国人であることから、悪質なふるまいは自らの国のプレイヤーを傷つけることにもつながります。直接的に言うならば、チートや暴言は自らの国の印象を悪くするだけです。
西洋嫌いの中国人によって結成されたグループもありますが、彼らが西洋のサーバーで遊んでいるというのは滑稽と言わざるを得ません。私がNAサーバーでプレイする時、基本的に英語でチームメイトに挨拶します。私が英語で疎通を図っても問題ないか確認するためです。しかし時々、一人の英語話者に二人の中国語話者がスクアッドに混じり、どうやってその「白人」を殺すかを母国語で話し合うという光景に出くわすことがあります。
無知と蛮行。これが、中国人のプレイヤーが他の国から嫌われている理由です。

中国人専用のサーバーがないことは問題です。多くの中国人プレイヤーが、ラグや命中判定の酷さを訴えています。これをチートの動機としているチーターさえいます。現在、テンセントが中国政府に対し自国のサーバーを稼働できるよう許可を求めているところです。しかしこの要求は、ゲームがもたらすことのできる「違法な言論と社会的価値」が問題であるとして2回も却下されているため、容易でないことは明らかです。中国に住んでいない人にとっては、この検閲システムがいかに馬鹿らしいものであるか伝わらないでしょう。例えば、我が国のビデオゲームはすべて、流血表現を抑えて表現する必要があります。中国で発売されたPUBGには次のような変更が加えられました。まず、このゲームはsteamを介さないスタンドアロンとしてリリースされました。これは中国人を他の国から遠ざけるためです。独裁体制が崩壊しようとしている中で、新しい文化や娯楽が政府のプロパガンダよりも高い影響力を持ち始めている証です。また、中国版のPUBGには血しぶきのエフェクトがありません。白い小麦粉のようなものに変わっています。

■中国はチート文化の国なのか?
悲しいですが、答えはイエスです。そしてこれはゲームに始まったことではありません。著作権侵害に始まり、海外の大学で不正行為をはたらく留学生などが存在しています(SAT、TOEFL、IETSなど)。毎年、学業におけるモラルの欠如が原因でアメリカ政府によって送還される中国人学生が後を絶ちません。TOEFLはF1ビザを取得するために必要な言語資格です。この試験で不正を行うということは、連邦政府を欺こうとするようなものです。仮にアメリカの大学に入学することができたとすれば、彼らは一つのグループになって試験をカンニングし、論文を書かせるために誰かを雇ったりします。中国から来た学生のすべてがそうであるというわけではありませんが、深刻な問題であることは確かです。

中国はチートに対して寛容な文化を持っていると開発が発言したことがあります。間違いではありません。試験監督もバトルアイも不正行為者を捕まえることができていません。この緩い取り締まりの下で実際に捕まったチーターは、全体のわずか数パーセントにすぎません。
ゲームと現実世界の両方において公平性を保つためには、我々は管理者のようなものが必要だと考えています。チートを使う中国人が自身の行為に大して何の恥も感じておらず、それらと遭遇したプレイヤーが彼らの不正行為を正すことができていないというのが問題なのです。私がチーターと仲間になったときは、いつも止めるよう話しかけるか、いたずらをしたりしています。それでも意味がなければ、チームキルをしてそのままプレイを続行します。チームの中にチーターがいることを明らかに全員が知っている場合があります。そうした時に私がそのチーターを殺すと、他のチームメンバーもまた私を殺し、罵ります。ゲームに勝つためにチーターの恩恵を授かろうと思っていたからです。
不正、虚偽、腐敗といったものは、西洋社会が悪とみなしているものです。中国でもまた、それらのような問題に対して活発な議論がされていますが、彼らはそれが社会の道理だと考えているし、自身がその例外となることに関して関心を抱こうとしません。被害者となるぐらいならそれを利用するべきというのが彼らの考えなのです。ゲームの中に大量のチーターがいるとなると、チートに対する道徳的責任というものが一気に軽くなります。昨夜マッチしたあの中国人チーターは、みんながチートしているから自分もやっているのだと語っていました。要するに、Whataboutism(そっちこそどうなんだ主義)ということです。

■提案
このスレッドのすべてを理解してもらおうと考えてはいません。読むにしては長すぎたと思います。
全ての問題について議論した上で、私はPUBGプレイヤーを取り巻く環境を良くするためにいくつかの提案をします。もしリージョンロック・チャイナを叫び続けているならば、私の意見も頭に入れていただけると幸いです。
1.SteamストアにおけるPUBGの価格を中国語版のみ引き上げる。チートのために新たな製品を購入することを躊躇わせることで、彼らに自らの行為を見直させることが期待できます。
2.ワンストライクアウト制を導入する。ハードウェアやIP単位でBANを行うことで、チーターが新たな製品を入手することを防ぎます。
これらの対策は、単純にリージョンロックをするよりは効果的だと思っています。しかし、真面目にプレイしている中国人が不利益を被るという問題もあるかもしれません。どこにアウトラインを引くかは、コミュニティや開発側の話し合い次第です。

つうかPCG全盛になっちゃったこの時代、クリエイターの居場所はどこにもないことは玉に瑕である。