今まで生身だったくせに、キューの入った途端に磁性体の化身へ変貌するからして声優は畏怖の対象足り得るのだ。瞬間でアール・シー・エー・アウトを切り替えるが如く、どんなマイナーな単語でもおぎゃーの次に出た言葉の如く発声するその様子は筆舌に尽くしがたい。
これに加え、そうして発声される内容が自分でへろへろ書いた脚本なら尚更である。原稿を書いて一ヶ月やそこら待つと見本誌になって届く感覚とは異なり、原稿どおりの声音が磁性体・メディアの力を借りてその場で出来上がる感覚はまったくインプレッシヴであった。夜更けの印刷所で原稿書く感覚? いやいや