夜に爪を切ると親の死に目に会えないという迷信は、満足な照明器具のなかった時代に夜目で刃物を扱うと感染症で死ぬるよという警句を含んでいたものとして頷ける。しかし、指にホクロがあると親の死に目に会えないという迷信はいかがなものか。手指を使う仕事を行わず、真皮までえぐるような怪我を負わない生活を重ねるから指にホクロなどという軟弱者の証を残してしまうのだという、まわりくどい教示、何書いてんだかさっぱりわからないぞ。