大方の予想通り、EVE Onlineのお試し期間で存分にお試している。と言ってもやることはスプレッドシートとにらめっこしつつビルト・イン・電卓とビルト・イン・メモ帳を駆使してビルト・イン・物価チャート・ブラウザのテクニカル指標を眺め乍ら出納帳を見てニヤニヤするという未来のゲームの雰囲気を醸し出すプレイである。
あと、βテスト時の印象では現在のBest PvP ゲームという評価とどうしても結びつかず首をひねっていたところ、リリース後の安定したサーバー上で実際に殺し合ってみるとその評価に幾度も頷くことになった。どんなゲームでもPvPは位置取りと装備とタイミングの勝負だが、EVEではPingレヴェルのタイミングをほぼ除去して位置取りと装備の問題に帰着させている。タイミングを図って戦況を変える行為には少なくとも3秒以上かかり、エゲレスのサーバーと通信する際の高Pingは誤差に等しい。このように規定された遅延のため戦技レヴェルでのソリッドな感覚はないけれども、戦術レヴェルでも十分な幅が出ることから高評価なんであろ。三次元上のマニューヴァーで行なわれる有効射程&周回軌道の確保は十分な心理戦である。装備やスキルに関してもそれなりにキャップしてあるし。
しかし、ウェイポイントのない地点に位置取りするには宇宙空間をダブルクリックするしかなく、それも思った通りの位置をポイントしてくれないのはまあ致命的っちゃあ致命的だな。あとギリギリの点におけるPing差はちと不明確である。短ワープを駆使して2km/sの速度で行う10km以内のドッグファイトや、短距離ミサイルが発射されたことを目視後に迎撃ミサイルをポチッとするような技を頻繁に使うようになれば変わるのかもしれない。
また、β時に比べて参加者の規模が増したため、初心者対策も洗練されていたことに気付いた。どんなキャラクターでも会社に所属しなければならず、そこで提供される会社チャットは閉じることができない。新キャラクターが所属する会社は種族毎に決められており、そうなると同じレヴェルの人間同士の会話を否が応にも目にする。そこで専門用語や生き方を学ばされるのだ。また、数光年離れた場所で繰り広げられる冒険奇譚もリアルタイムで流れてきてしまうので、冒頭に書いたようなただのスペース・トレーダーも心弾ませることができる。このような場で頭がおかしいのは簡体字を使う人民くらいで、ニュービー・チャンネルとしてまともに機能しているのは予想外であった。