近年の大八島における世論はやたら好戦的であり、軍靴の音が響き渡っていることは軍事・オタクのみならずとも周知の事実である。
しかし、この風潮に対して軍事・オタクが諸手を挙げて喜ばないのは、現在の世論に対し自らの若かりし日々、クレオパトラが英語で言うところのマイ・サラダ・デイズを重ねてしまうためだ。彼らは軍事的/経済的なスペックで語られる外交状態によって世論の動くさまに堪りかねているのである。
スペック・オタクの精神状態は中毒性があり、これを抱いたまま死んでいく軍事・オタクは少なくない。たまに国も抱いたまま死んでいくのもいるし。しかし、大多数のオタクは中学生あたりの史料調査(濫読)にてWWIIならリデル・ハート、ナム戦および冷戦ならマクナマラ、それらの根底に流れるクラウゼヴィッツマキアヴェッリ、しかしジョミニは申し訳ないが読んだことない、に触れることとなり、そこでスペック依存のラーヴァル・ステージを脱却する。さて脱皮できて安心、したところが、近年の世論動向に脱ぎ捨てた過去の自分を発見しているのだ。
あ、いや、要するにラーヴァル・ステージの中学生によって形成された世論が俺の情報源なのか。そうか。
というわけで、全面戦争が終わって小競り合いしかなくなり、BHDや湾岸戦争で軍事・オタクになる最近の若者はかわいそうだ。史料を集めようにも

強襲部隊―米最強スペシャル・フォースの戦闘記録

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ブラヴォー・ツー・ゼロ―SAS兵士が語る湾岸戦争の壮絶な記録 (ハヤカワ文庫NF)

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などの兵隊を描いたものしかなく、戦争の中間管理職による手記は冷戦時代まで手を伸ばさなくてはならない。
とは言うものの、知恵と勇気と無謀っぷりで勝敗の決まる地域紛争が大好きな俺としては現在の国際情勢はホクホクである。携帯電話やIRCGoogle Earthなどのテックを駆使する方向に進歩してるし。まあ観客にとっては戦闘状態に関する情報の入手性がインターネット普及前後でもあんまり変わらんのは問題であるが(笑)